
つじつま合わせに生まれた僕等
amazarashi
松岡結城
つじつま合 わせに生 まれた僕等
amazarashi
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1
遠い国の山のふもと この世で一番綺麗な水が湧いた
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2
やがてそれは川になり そこに群れを作った魚を
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3
腹を空かした熊が食べて 猟師が熊の皮をはいで
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4
それを市場で売りさばいて 娘の為に買った髪飾り
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5
悪い人間がやってきて 全部奪ってしまったのは
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6
歴史のちょうど真ん中辺り 神様も赤ん坊の時代
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7
母親のこぼした涙が 焼けた匂いの土に染みて
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8
それを太陽が焦がして 蒸発して出来た黒い雨雲
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9
その雲は海を越えた砂漠に 5ヶ月ぶりの雨を降らせた
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10
雨水飲んで生き延びた詩人が 祖国に帰って歌った詩
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11
それを口ずさんだ子供達が 前線に駆り出される頃
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12
頭を吹き飛ばされた少女が 誰にも知られず土に還る
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13
そこに育った大きな木が 切り倒されて街が出来て
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14
黒い煙が空に昇る頃 汚れた顔で僕等生まれた
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15
善意で殺される人 悪意で飯にありつける人
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16
傍観して救われた命 つじつま合わせに生まれた僕等
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17
高層ビルに磔の 価値観は血の涙を流す
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18
消費が美徳の人間が こぞって石を投げつけるから
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19
金にもならない絵をかいた 絵描きは筆をへし折られて
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20
見栄っ張りで満員の電車が 走る高架下で暮らしている
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21
喜怒哀楽をカテゴライズ 人に合わせて歌が出来て
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22
悲しい時はこの歌を 寂しい奴はあの歌を
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23
騙されねーと疑い出して 全部が怪しく見えてきて
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24
人を信じられなくなったら 立派な病気にカテゴライズ
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25
不健康な心が飢えて 悲劇をもっと と叫んでいる
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26
大義名分が出来た他人が やましさも無く断罪する
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27
人殺しと誰かの不倫と 宗教と流行の店と
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28
いじめと夜九時のドラマと 戦争とヒットチャートと
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29
誰もが転がる石なのに 皆が特別だと思うから
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30
選ばれなかった少年は ナイフを握り締めて立ってた
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31
匿名を決め込む駅前の 雑踏が真っ赤に染まったのは
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夕焼け空が綺麗だから つじつま合わせに生まれた僕等
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33
ふざけた歴史のどん詰まりで 僕等未だにもがいている
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34
結局何も解らずに 許すとか 許されないとか
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35
死刑になった犯罪者も 聖者の振りした悪人も
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36
罪深い君も僕も いつか土に還った時
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37
その上に花が咲くなら それだけで報われる世界
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38
そこで人が愛し合うなら それだけで価値のある世界
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39
だからせめて人を愛して 一生かけて愛してよ
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40
このろくでもない世界で つじつま合わせに生まれた僕等
