
夏を待っていました
amazarashi
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夏 を待 っていました
amazarashi
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1
君はまだ覚えてるかな 幼い頃の暑い六月
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2
廃線になった線路を 僕等はどこまでも歩いた
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乗り気で水筒なんかを ぶら下げてきた雅敏は
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おじちゃんに買ってもらったマウンテンバイクを自慢した
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「けどな 俺はおじちゃんが嫌いなんだ
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母ちゃんをいつも泣かせてばかりいるから」
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7
僕は何だか気まずくなって 目をそらしたんだ
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8
雅敏の顔に大きな青痣があったから
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降りだした夕立に走りだす つぶれた無人駅で雨宿り
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明日は何して明後日は何して
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11
くだらない話で笑い転げる 嵐の予感に胸が高鳴る
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あの時僕ら皆は確かに
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夏を待っていました
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ここに居たくないってのと どこかに行きたいってのは
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同じ意味なのかな なんにしろ歩こうか
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体育と部活が何より苦手な靖人は とうとう膝を抱えてこう呟いた
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「僕はいつも皆に置いてきぼりで 本当にダメなやつでごめんな」
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僕らはなんだか笑ってしまった つられて靖人も涙目で笑った
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背の高い夏草でかくれんぼ 鬼は迫り来る時間の流れ
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20
もういいかいまだだよって叫んだよ
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僕は今も見つからないままで あの時と同じ膝をかかえて
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部屋から青い空を見上げて
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夏を待っていました
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身長が高くて喧嘩が強い 太平はいつも無茶な遊びを思いつく
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「この鉄橋に一番 長くぶら下がったやつの
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言うことは何でも聞かなきゃダメだぜ」
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僕らはびびって出来なかったけど 太平は平気な顔でぶら下がる
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七年後に太平はビルから飛び降りた
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そんな勇気なら無いほうが良かった
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高層ビルの下でかくれんぼ あれから何年がたっただろう
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もういいかいまだだよって声もない
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もしも今日があの日の続きなら 僕らの冒険を続けなくちゃ
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六月の空を僕は見上げて
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夏を待っていました
