
盗作
ヨルシカ
站長
盗作
ヨル シカ
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1
「音楽の切っ掛けは何だっけ。
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2
父の持つレコードだったかな。
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3
音を聞くことは気持ちが良い。
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4
聞くだけなら努力もいらない。
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5
前置きはいいから話そう。
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6
ある時、思い付いたんだ。
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7
この歌が僕の物になれば、この穴は埋まるだろうか。
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8
だから、僕は盗んだ」
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9
嗚呼、まだ足りない。全部足りない。
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10
何一つも満たされない。
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11
このまま一人じゃあ僕は生きられない。
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12
もっと知りたい。愛を知りたい。
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13
この心を満たすくらい美しいものを知りたい。
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14
「ある時に、街を流れる歌が僕の曲だってことに気が付いた。
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15
売れたなんて当たり前さ。
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16
名作を盗んだものだからさぁ!
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17
彼奴も馬鹿だ。こいつも馬鹿だ。
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18
褒めちぎる奴等は皆馬鹿だ。
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19
群がる烏合の衆、本当の価値なんてわからずに。
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20
まぁ、それは僕も同じか」
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21
嗚呼、何かが足りない。
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22
これだけ盗んだのに少しも満たされない。
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23
上面の言葉一つじゃ満たされない。
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24
愛が知りたい。金が足りない。
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25
この妬みを満たすくらい美しいものを知りたい。
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26
「音楽の切っ掛けが何なのか、
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27
今じゃもう忘れちまったが欲じゃないことは覚えてる。
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28
何か綺麗なものだったな。
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29
化けの皮なんていつか剥がれる。
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30
見向きもされない夜が来る。
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31
その時に見られる景色が心底楽しみで。
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32
そうだ。
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33
何一つもなくなって、地位も愛も全部なくなって。
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34
何もかも失った後に見える夜は本当に綺麗だろうから、
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35
本当に、本当に綺麗だろうから、
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36
僕は盗んだ」
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37
嗚呼、まだ足りない。もっと書きたい。
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38
こんな詩じゃ満たされない。
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39
君らの罵倒じゃあ僕は満たされない。
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40
まだ知らない愛を書きたい。
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41
この心を満たすくらい美しいものを知りたい。
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42
まだ足りない。まだ足りない。
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43
まだ足りない。まだ足りない。
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44
まだ足りない。僕は足りない。
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45
ずっと足りないものがわからない。
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46
まだ足りない。もっと知りたい。
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47
この身体を溶かすくらい美しい夜を知りたい。
