
想像フォレスト
バル
shihana
想像 フォレスト
バル
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1
夏風がノックする窓を開けてみると
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2
何処からか迷い込んだ鳥の声
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3
読みかけの本を置き
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4
「どこから来たんだい」と笑う
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5
目隠ししたままの午後三時です
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6
世界は案外シンプルで
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7
複雑に怪奇した私なんて
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8
誰に理解もされないまま
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9
町外れ、森の中、人目につかないこの家を
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10
訪れる人など居ない訳で。
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11
目を合わせないで!
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12
固まった心、一人ぼっちで諦めて
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13
目に映った無機物に安堵する日々は
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14
物語の中でしか知らない世界に少し憧れる
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15
ことくらい許してくれますか?
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16
淡々と流れだした
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17
生まれてしまった理不尽でも
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18
案外人生なんで。私の中じゃ。
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19
ねぇねぇ、突飛な未来を
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20
想像して膨らむ世界は今日か明日でも
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21
ノックしてくれないですか?
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22
なんて妄想なんかして
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23
外を眺めていると
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突然に聴こえてきたのは喋り声
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飲みかけのハーブティーを
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机中に撒き散らし
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「どうしよう…」
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とドアの向こうを見つめました。
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29
「目を合わせると石になってしまう」
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30
それは両親に聞いたこと
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私の目もそうなっている様で
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物語の中なんかじゃいつも
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怖がられる役ばかりで。
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そんな事知ってる訳で。
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トントン、と響きだした
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ノックの音は初めてで
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緊張なんてものじゃ足りないくらいで。
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38
ねぇねぇ、突飛な世界は
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想像してるよりも
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実に簡単にドアを
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開けてしまうものでした。
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目を塞ぎうずくまる姿にその人は驚いて
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「目を見ると石になってしまう」と言うと
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ただ笑った。
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「僕だって石になってしまうと怯えて暮らしてた
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でも世界はさ、案外怯えなくて良いんだよ!」
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47
タンタン、と鳴り響いた
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心の奥に溢れてた
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想像は世界に少し鳴り出して
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50
ねぇねぇ、突飛な未来を
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教えてくれたあなたが
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また迷った時は
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ここで待っているから。
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夏風が今日もまたあなたがくれた服の
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フードを少しだけ揺らしてみせた。
